現在のクリニックの取り組みとあわせて8月の1か月間の診療実績を公表します。
定期訪問診療 635回(居宅:施設はほぼ50:50)
初診・退院カンファレンス 31回
臨時往診 55回(平日日中 26回 夜間休日 29回)
在宅看取り 10名
入院 13名(うち自宅退院6名 入院先死亡2名 入院継続5名)
「暑い夏」で熱中症の臨時往診が多いだろうと予測していましたが、熱中症は1件のみで熱中症による入院もありませんでした。普段かかわっているご家族、訪看・ケアマネ・ヘルパーさんたちが力を合わせて在宅の患者さんの暑さ対策をしてくださっていたことの結果だと思います。
在宅での看取りは1か月10名程度で推移しています。もちろん在宅緩和ケア・看取りはしっかりサポートさせていただきますが、苦痛が緩和された状態でできるだけ長く生活ができるように支援を心がけています。
当院では電話での【1st Callトリアージマニュアル】を作成し、24時間看護師・医師が電話を持ってスムーズな対応を心がけています。重症度が高い順にトリアージ1~7まで階層化しています。8月に当院へかかってきた電話のデータを取ってみました。以下の説明はあくまで概要で、キーワード方式でかなり細かいマニュアルが存在します。
- トリアージ1(心肺停止状態) 11件(うち往診10件 直接の救急搬送1件)
- トリアージ2(危機的バイタル) 8件(うち往診8件 救急隊と同時出動1件)
- トリアージ3(脳卒中・急性腹症・冠症候群など) 1件(うち往診1件)
- トリアージ4(バイタルサインの軽度異常) 14件(うち往診10件)
- トリアージ5(疼痛コントロールの悪化など) 54件(うち往診26件)
- トリアージ6(軽度の症状の相談) 116件(往診なし)
- トリアージ7(症状以外の相談) 71件(往診なし)
となっており、1か月の1st Callは275件ということになりました。平均1日9件という数字が多いか少ないかは分かりませんが、往診すべき人を見落とさないように工夫しております。
トリアージ4・5は”基本的に往診する”というルールを作っておりますが、癌性疼痛のコントロールなどは電話で指示をして、経過をみてうまくいかなければ再度Callをもらって往診という流れも多いため往診率は低くなっております。またお看取りが想定の範囲内の方で、バイタルの異常の連絡が来た場合、いずれにしても経過観察のために往診しないこともありました。
このあたりのデータから、マニュアルを調整してトリアージ5までは絶対往診というルールができたら運用がよりスムーズになると考えており、今後もマニュアルの改訂を適宜行なっていきます。
また当院では患者さんの予後的メリットを考え、先に119番すべきときに往診するというのは避けつつ、119番する前にかかりつけ医として往診して状況を把握すべき時は往診する、ということを心がけています。
特にトリアージ1~3の時は、まず救急車を呼ぶ必要があるか、というのを検討して、なければ往診手配、もしくは救急車と同時出動という対策をしています。急な麻痺など一刻を争う場合に往診してから病院探しをしていたら、治療機会を逸してしまうかもしれません。
このように、しっかりとデータも取りつつ、診療の質の向上につなげられるよう日々奮闘しております。
2024.9.19