こんにちは。看護師主任の巡です。
今回は、訪問診療で働く看護師の業務にフォーカスを当ててご紹介させていただきます。
(訪問診療については、診察室ブログ「訪問診療と訪問看護 何が違うの?」も併せてご参照ください)

①訪問診療同行看護師の役割について
「訪問診療の同行看護師」は、医師の診察に同行し、診察の補助や処置の介助を行います。 持参物品の準備、バイタルサインの測定、処置や検査の介助、処方箋の確認、他事業所との連携など「つなぐ」役割を担っています。
病院で働く看護師に例えると、生活の援助やケアが主な業務となる訪問看護師は「病棟勤務」、診療同行看護師は「外来勤務」のイメージです。
②主な業務内容
・バイタルサイン測定 | ・内服状況の確認 (定期薬、頓服の内服状況や残数確認) |
・採血などの検体採取 | ・定期的な注射薬の投与 |
・点滴や注射の臨時的な投与、CVポートのフラッシュ | ・心電図、エコー、レントゲン検査の準備や介助 |
・皮膚処置やその他医療処置の介助 (気管カニューレ交換、胸腔・腹腔穿刺、胃瘻・胃管交換、褥瘡デブリードマン、CART、輸血など) | ・訪問看護、薬局など関係各所への連絡 情報共有、調整 |
・患者や家族と医師との橋渡し | ・訪問看護指示書の作成 |
・在宅療養に必要な医療材料や物品の選別と準備 (ガーゼや点滴、血糖測定物品、尿道カテーテルなど) |
③診療同行看護師の一日

診察スケジュールは事前に決まっていますが、予想外の事態や、往診(臨時の診察)などにより、大幅なスケジュール変更が必要となることが多々あります。
限られた時間内で診療同行看護師としての業務を効率的かつ確実に遂行できるよう、日々取り組んでいます。
同じ施設内に関連機関(ケアを担う看護師や薬剤師)が揃っている病院とは異なり、別の事業所間で協働して一人の患者様の生活を支える在宅医療では、情報共有を適切に行うことが質を保証する上で極めて重要です。
診療と診療の合間の時間や帰院後に、スマホやiPadを使用し処方箋の処理や診療情報整理、他業種への連絡などを行います。
当院ではMCS(メディカルケアステーション)という医療介護専用のデジタルコミュニケーションツールを使用して、確実でタイムラグの少ない方法で情報共有を行なっています。
診療に入ったすべての方の診療報告を当日中にMCSへ記載することは、最も時間を要す業務のひとつではありますが、内容をある程度フォーマット化することで無駄なく入力できるよう心がけています。

これまで病棟や外来で学んだ経験や知識を活かせる場面も多い反面、在宅ならではの法制度やしくみ、限られた時間や資源の中で業務を行うことへの戸惑いも少なくありません。
医療・看護の質を保ちながら、職場環境を整え、在宅医療の発展を支える存在となることを目指し、日々精進してまいります!
2025.05.19
看護師 巡
